Sさんからお誘いをいただき、先日に続きチーム・テントウムシのオフ練に参加!
しか〜し、当日現地に到着してみると9時時点で既に30℃越え、湿度70%超のかなり過酷なコンディション。そしてそこに集まった9人のオフローダー。
すぐに仕上がりそう….
今回の記事ではオフロードバイクの運動強度や熱中症予防に必要な水分量について考えてみました。
オフロードバイクの運動強度や発汗量ってどれくらい?
オフロードバイクの運動強度は意外と高い。ただし、オフロードをやっていない人からすると
アクセルをひねるだけでしょ✨
ぐらいの感覚に思われがち。だけど実際にはちょっと違う。
オフロードバイクは不整地を走行することから、常にバイクの挙動に応じたボディアクションが必要となるため比較的高い運動強度が要求されます。
下のグラフは先日のJEC御所での心拍数の推移。レース中は平均して150bpm前後と強度としてはゾーン3〜4の高い心拍レベル。睡眠時の心拍数(40bpm前後)と比較すると実に4倍弱!心拍数が高いということはそれだけ熱が発生しているということ。
タフなライダーはより高い心拍を維持できるだろうし、モトクロスなどのスプリントだと平均180bpmを超えるそうです。
決してアクセルをひねるだけとは言えない(笑)
次に発汗量について。
オフロードバイクは転倒による怪我の危険性があるため結構ヘビーなプロテクターをつけて走ることになります。
実際にボクが身につけている装具類の重量を測ってみたところ、合計で11kg超え。体重が60kgぐらいなので実に体重の20%弱の装備重量を背負いながら走っている計算。
オフロードブーツ(左右) | 3.7kg |
ヘルメット | 1.3kg |
ブレストガード | 1.0kg |
ニーブレース(左右) | 1.8kg |
MXジャージ・パンツ | 0.7kg |
インナー・ソックス・肘当て | 0.7kg |
ハイドレーション(1.5L) | 2.0kg |
合計 | 11.2kg |
これだけの装備でほぼ全身が固められているため、発生した熱がそもそも体外へ排出されにくい。
かといって、プロテクターなしで遊ぶのはNG!
ここで、オフロードバイクでの発汗量を推測するため、競技ごとの発汗量(真夏)を調査してみました。
発汗量順で並べてみると、
- 水泳 (1)(9.3g/kg•hr)
- 野球(2)(9-11g/kg•hr)
- アメフト(2)(11.35±1.35g/kg•hr)
- バレーボール(3)(12.1±1.0g/kg•hr)
- 剣道(4)(18g/kg•hr)
(1)伊藤, “大学競泳選手の練習時における飲水量及び発汗量の実態調査” 日本福祉大学全学教育センター紀要 2 (2014): 53-59.
(2)中井誠一, et al. “運動時の発汗量と水分摂取量に及ぼす環境温度(WBGT)の影響” 体力科学 43 (1994): 283-289.
(3)丹羽健市, et al. “運動時の環境温度と飲水量・発汗量及び体温に関する実態調査.” 体力科学 45.1 (1996): 151-158.
(4)和久, et al. “高温環境下における長時間の剣道稽古に伴う脱水が血行動態および左心機能に及ぼす影響” 体力科学 40 (1991): 465-474.
傾向をみると屋外よりも室内、さらに防具類が多い競技ほど発汗量が増えている。
「湿度で汗が揮発しない、防具などで熱が逃げないなど、体温低下が妨げられやすい競技ほど発汗量が増加する」と解釈できる。
オフロードバイクの場合、空調服をつけて走っている場合には野球やアメフト程度、空調服がない場合はバレーボールや剣道程度の発汗量に達しそうな感じ。
真夏の林道、オフロード走行での熱中症予防
発汗で体重の2%が失われるとパフォーマンスが低下し、4%を超えると体温の上昇や頭痛など熱中症の症状が現れはじめるらしい。
ボクの場合、体重が60kgなので2%で1.2kg、4%で2.4kgの計算となる。
先ほどのデータをもとに、体の水分量を保つためにどの程度の補給が必要となるかを試算してみたところ、転んだりして頻繁に押し引きなどを行う場合は15g/kg•hr程度の発汗量が予想される。
ボクの場合、1時間当たりの発汗量は15(g/kg•hr)×60(kg)=900gであるため、水分補給せずに1時間20分乗るとパフォーマンスが低下(2%)しはじめ、2時間40分ほど乗り続けると熱中症の症状(4%)が現れることになる。
このことから熱中症予防を考慮した場合にどれぐらいの水分を用意した方が良いかを考えてみると、例えば午前中に2時間バイクに乗る場合は1.8L程度の水分が必要な計算となる。もちろんミネラル分の補給も忘れずに。
オフロードバイク遊びで熱中症にならないために守るべきポイントを整理すると、、、
- 暑熱順化して体からのミネラル流出を防ぐ体をつくる
- バイクに乗る前には500mL程度の水分をあらかじめ補給する
- 1時間あたり[体重(kg)]×15(cc)程度(体重60kgなら900cc)の水分を携行し、こまめに補給する
- 念の為に塩タブなども携行する
- 見た目を犠牲にしても暑い日は空調服を使う
この辺りを守っていれば熱中症になるリスクはかなり低減できそう。
皆さんも熱中症には気をつけて楽しいオフロード遊びを!
↓今回のチームテントウムシとのバイク遊びの動画です。暑かったけどいい練習になった。
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