TPIオイルポンプのプライミングがうまくできなかったのですが、その原因がオイルポンプの故障ではなく他にあり、最終的に解決したという備忘録的記録です。
GASGAS EC250は2021年モデル以降、エンジンがKTMのOEMであることから分離給油型のフェールインジェクション方式(TPI; Transfer Port Injection)となっています。
2ストロークエンジンの場合は燃料とエンジンオイルを適切な混合比で燃焼室へ供給する必要があります。そのため、TPIでは燃料ポンプとは独立したオイルポンプが搭載されています。
サービスマニュアルによると、このオイルポンプの交換タイミングは80時間。対して、ボクのEC250は現在70時間なのでそろそろ交換のタイミングです。
交換タイミングについては200時間以上でも問題なかったという報告がある一方、40時間程度でトラブルが生じた報告例もあり様々。
調査してみると、KTMの2020年モデル以降はポンプの手前にフィルターがついたおかげでトラブルの発生確率が激減したという情報もありました。
オイルポンプの調子が悪くなった場合の主な症状はオイルが搬送されないこと。これは焼き付きの原因となります。
そのポンプ不良を簡易的に評価する手法として、ポンプを強制的に駆動させてオイル吐出量を見る方法があります。TPIではオイルポンプのエア抜き方法がマニュアルに記載されており、そのエア抜き(プライミング)動作の際に6ml程度オイルが吐出されれば正常のようです。
実際にオイルポンプのプライミングをやってみた
まずは今使っているオイルポンプでプライミング処理を行った際にどの程度のオイルが吐出されるかを確認することにしました。
マニュアルに従ってアクセルをフルスロットルにして、ウェイクアッププラグを接続し、5秒以上が経過したらスロットルを戻す。
これにより通常はプライミングが始まり、ボンプからカチカチカチという作動音と共にオイルが排出されます。
オイルポンプのホースを醤油差しに突っ込み、いざプライミングを開始!
しかし、僕のEC250では何故かプライミングが始まらない。オイルも出てこないし、当然カチカチ音もしない。
何で????
原因がわからないまま、とりあえず新しいポンプを購入してもう一度試してみることに。
しかし、後日動作を試してみたらやっぱりプライミングが始まらない。
どうやらポンプの問題ではないみたい。(走行時はポンプが正常に作動している(焼きついていない)から当然と言えば当然ですね)
プライミング不良の原因は?
ここでプライミング動作の判定について考えました。
プライミングの手順は
①ウェイクアッププラグの接続 ← エンジンOFF状態でセンサーなどの電装系のスイッチON
②アクセルフルスロットルで5秒間保持しアクセルを戻す
となります。
この手順で動作するということは、スロットルポジションセンサーが「フル開度+5秒間hold」することがプライミング開始のトリガーになっているものと推測できます。
ということは、プライミングが始まらない原因としてスロットルポジションセンサーがフル開度と認識できていなかったことにあると考えました。
フル開度を認識できない理由として一つはポジションセンサー不良、もう一つはアクセル側がフルスロットルでもバルブ側ではフルスロットルになっていないことが考えられます。
そこで、一縷の望みをかけてスロットルボディ側で直接バルブを全開としてみることに。
すると、、、カチカチカチカチという音と共にオイルポンプが動作してくれました!
結局、スロットルワイヤーのポジション調整(テンション)不良?が原因でスロットルセンサー側が全開を認識していなかったことがプライミングが始まらない原因であったようです。
オイル量を何回か計測したところ、安定して6ml程度のオイルが搬送されていました。
これならもうしばらくは古いポンプを使えそう。せっかく新品ポンプも購入したので、100時間程度を目安に交換しようと思っています。
オイルポンプ調整のついでにバイクも洗浄し、ゼッケン背景もJNCC COMP Rの青にして来週のJNCCの準備は完了!!
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