【ロードバイク】鳥巣激坂ヒルクライム50km!斜度11%足つきなし挑戦とスプロケット30Tの限界検証【ながとブルーオーシャンライドへの道 #04】

トレーニング・ZWIFT
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10月に開催される山口県の人気ロングライドイベント「ながとブルーオーシャンライドwith秋吉台(114km・獲得標高1,500m超)」の完走を目指すトレーニング連載、第4弾!

第1弾(鏡山HC)での短距離激坂、第2弾(白木峠)での40km登坂、そして昨日の第3弾(平坦48km&Insta360テレメトリ導入)と順調に距離と負荷を積み上げてきたボク。

本番のコースルート(RideWithGPSルートデータ)を細かく分析してみると、総距離113.8km・獲得標高1,531mというスペック以上に過酷な特徴が見えてきます。

それは、1つの巨大な山を登るのではなく「標高100m〜300m級の峠や丘を6〜7回にわたって延々と登り返すノコギリ状(のこぎり歯)のインターバルコース」だということ!

序盤の秋吉台カルストへの登坂(標高300m)から、中盤の美祢・俵山方面のアップダウン、そして終盤100km過ぎの海沿いの登り返しまで、10〜15kmおきに登りが襲いかかります。つまり、1つひとつの登りでいかに脚(筋肉)を削らずにクリアできるかが完走の最大の分水嶺になるのです。

昨日の平坦SST(スイートスポット)トレーニングで巡航力を鍛えた翌日、今回ボクが選んだコースは……佐賀・唐津エリア屈指の手強い激坂「鳥巣(トリス)ヒルクライム」を含む周回50kmコースです!

前回の白木峠で浮上した「完成車標準のリア30Tのままで本番の繰り返す山岳を乗り切れるのか? それとも交換すべきか?」というギア比問題。

今回はその適性を探るべく、平均勾配8.7%の凶悪な鳥巣激坂に「足つきなし(自販機休憩1回のみ)」というマイルールを課して挑んできました!

雨のダウンヒルでの機材トラブル(ハンドルお辞儀事件)から、帰還後のGarminデータ徹底解析までの走行レポートをお届けします!


本日の全体走行データまとめ

まずは今回の鳥巣ヒルクライム周回50kmの全体サマリーです。

項目 計測データ 備考
走行距離 50.56 km 周回ルート
獲得標高 678 m 鳥巣HC(+546m)含む
走行時間(移動時間) 2時間10分57秒 経過時間: 3時間10分47秒
平均速度 23.2 km/h 最高速度: 54.4 km/h
平均パワー (NP) 139.7 W (173.8 W) 最大パワー: 489.0 W
平均ケイデンス 72.8 rpm 登坂時は大幅低下
平均心拍 (最大心拍) 137.9 bpm (176.0 bpm) 激坂区間でZ5突入
消費カロリー 1,189 kcal コーラ&ファンタ補給

鳥巣ヒルクライム周回50kmの走行ルートマップと標高プロファイル(斜度カラーマップ付き)
▲ 鳥巣ヒルクライム周回50kmの走行軌跡と、斜度(勾配)カラーマップ付き標高プロファイル


朝7時半スタート!いざ手強い鳥巣ヒルクライムへ

今回の出発時間は、いつもの早朝5時台とは異なり午前7時半。日曜日の午前中にまとまった時間が確保できたため、太陽が昇って爽やかな青空が広がる中のスタートとなりました。

朝の青空と遠くの山並み
▲ 朝7時半、澄み渡る青空とこれから挑む山並み。テンションと緊張感が同時に高まります

今回の愛車ももちろん、相棒のSpecialized 2021 Tarmac SL7 Expert
ギア構成はフロント52/36T(セミコンパクト)、リア11-30Tです。

平坦路を快調にウォームアップしながら走り抜け、いよいよ鳥巣ヒルクライムの入口へ。

Garmin Edgeに表示された鳥巣HC開始予告
▲ Garmin Edge 840のClimbPro画面。「鳥巣HC 開始まで66m」の非情なカウントダウン

ハンドルバーには、昨日導入テストを行ったInsta360 X4 Airをしっかりセット。GarminのClimbProが「鳥巣HC 開始まで66m」と告げています。ここから長い戦いが始まります。


鳥巣ヒルクライムのコースプロフィール

ここで、今回挑んだ「鳥巣ヒルクライム」の凶悪なプロフィールをご紹介します。

Stravaセグメント「鳥巣HC」のプロフィール
▲ Stravaセグメント「鳥巣HC」:距離6.49km、獲得標高639m、平均勾配8.7%

鳥巣HCの特徴

  • 距離: 6.49 km(本格登坂区間実測: 7.20 km)
  • 獲得標高: 639 m(実測標高差: 546 m)
  • 平均勾配: 8.7 %(カーブ区間は11%超が連続)
  • コースの難所: 途中に足を休められる平坦路や下りが一切存在しない。最初から最後まで一定以上の高負荷パワーをかけ続けなければいけない、佐賀エリアでも屈指の本格ヒルクライムコースです。

今回のマイルール
「途中で絶対に足をつかないこと」。
ただし、中盤に自動販売機があることは事前リサーチ済みだったので、「自販機でのドリンク購入休憩1回のみOK、それ以外の登坂中は一切足つきなし」を目標に設定しました。


序盤〜中盤:激坂のオアシス!自販機コーラで生き返る

登坂開始直後から、斜度は容赦なく8%〜10%を指し示します。
インナーロー(フロント36T × リア30T)に即座にシフトダウン。しかし、それでもペダルが重い!

途中に緩斜面が全くないため、心拍数は登り始めて数分で160bpmを突破。汗が目に入って沁みます。

ゼーハーと荒い息を吐きながらペダルを回し続け、登坂開始から約2.5km地点(標高200m付近)。
視界の先に、オアシスのように佇む赤い物体が見えてきました!

山あいの自販機オアシスと遠くに見える玄界灘
▲ 標高200m付近の自販機オアシス。遠くには唐津湾・玄界灘の絶景が広がります

自販機前で休憩するTarmac SL7
▲ 自販機前でしばしの一服。冷たいコーラを喉に一気に流し込みます!

「あった……! 僕のオアシス自販機!!」

ルール通り、ここでバイクを止めて足をつき、冷え切ったコカ・コーラをガツンと流し込みます。
炭酸の刺激と糖分が、限界を迎えつつあった筋肉と脳に染み渡る……!

ふと振り返ると、山あいの隙間から遠く玄界灘(唐津湾)の青い海が見渡せました。
絶景とコーラでHPを全回復させ、いざ後半の最難関セクションへリスタートです!


後半:斜度11%の激坂とInsta360テレメトリHUDのリアル数値

自販機を過ぎると、鳥巣ヒルクライムは真の牙を剥いてきます。
斜度は常に8〜9%をキープし、ヘアピンカーブでは11%〜12%の激坂が連続。

ここで、車載カメラ「Insta360 X4 Air」が記録した登坂中のテレメトリHUD(走行データオーバーレイ)をご覧ください。

Insta360テレメトリHUDによる激坂区間のリアルデータ
▲ Insta360テレメトリHUD:ケイデンス55rpm、パワー217W、心拍171bpm、斜度9%、速度7.0km/h

HUDが暴いた登坂中の過酷な現実

  • ケイデンス: 55 rpm(インナーロー36×30Tでもペダルが重すぎて回らない!)
  • パワー: 217 W(ボクのFTP 190Wを完全にオーバーし、無酸素・VO2max領域へ)
  • 心拍数: 171 bpm(最大心拍176bpmに肉薄。心臓バクバク)
  • スピード: 7.0 km/h(もはや倒れないように走るのが精一杯)

心臓はバクバクと170台後半を叩き出し、太ももは乳酸でパンパン。
「もう足をついてしまいたい……!」という悪魔の囁きが何度も頭をよぎります。

激坂を耐え抜いた「ジグザグ走法(スラローム走法)」

カーブの内側など斜度が11%を超える極悪ポイントでは、後続車や対向車がいないことを確認した上で道幅を目一杯使ってジグザグに斜めに走行
見かけの斜度を無理やり落としてトルク負荷を逃がし、なんとか足を休めながらペダルを押し込み続けました。

泥臭くも諦めずに粘り続け、ついに……足つきなしで激坂区間を完全走破しました!


標高500m超の鳥巣集落!黄金色の稲穂と高原の風

激坂を登り切ると、一気に視界が開け、標高500m超の高原に広がる「鳥巣(とりす)集落」へと飛び出しました。

鳥巣集落の黄金色に輝く稲穂
▲ 標高500mの鳥巣集落。初秋の訪れを告げる黄金色の稲穂が実っていました

鳥巣集落の棚田とTarmac SL7
▲ 鳥巣集落の美しい棚田と青空。Tarmac SL7も激坂を登り切って誇らしげです

下界は30度を超える猛暑ですが、標高500mの高原は気温26度前後と驚くほど涼しく快適!
爽やかな高原の風が、汗だくの身体をすーっとクールダウンしてくれます。

黄金色に色づき始めた棚田の稲穂と澄んだ青空。
「この景色に出会えるから、ヒルクライムはやめられないなぁ……」と、激坂の苦しみが一瞬で感動へと変わる瞬間でした。


厳木ダウンヒル:ゲリラ豪雨と「ハンドルお辞儀」トラブル発生!

鳥巣集落を抜け、厳木(きゅうらぎ)方面へ向けてダウンヒルを開始します。

長時間露光で撮影した渓流と滝
▲ 渓流沿いの清らかな滝。マイナスイオンたっぷりの涼しい風が吹き抜けます

道端にひっそり咲くツユクサ
▲ 道路脇に咲いていた鮮やかな青いツユクサ(露草)

山道沿いには涼しげな滝や可憐なツユクサが咲き、心地よい下りを楽しんでいたのですが……山の天気は変わりやすい。
厳木ダムへと向かう途中の山道で、突然の土砂降りの雨(ゲリラ豪雨)に見舞われました!

濡れた路面に細心の注意を払いながら慎重に下り続けると、厳木ダムに到着するタイミングでちょうど雨がピタリと止んでくれました!

厳木ダムの天端道路と雄大なダム堤体
▲ 厳木ダムの天端道路。雨上がりの澄んだ空気と、ダム湖・山々が織りなす雄大な景色

Insta360の超広角で捉えた厳木ダムと去りゆく雨雲
▲ Insta360のパノラマ視点で捉えた厳木ダムの全景。青空が広がる一方、遠くには先ほどまで降らせていた黒い雨雲が!

厳木ダムの天端で雄大な景色を眺めながらひと息つき、再び下り始めたのですが……ここでバイクのポジションに強烈な違和感が発生します。

「……ん? なんかブラケットがやたら遠くて下に下がってないか!?」

急いで雨宿りできる軒下にバイクを停めて確認すると……

ダウンヒルの荷重で下がってしまったドロップハンドル
▲ なんとドロップハンドルが真下にガクンとお辞儀!下り坂の荷重でずり下がっていました

なんと、ドロップハンドルが真下にガクンとお辞儀しているではありませんか!

原因は、Insta360のサイコンマウントをステムのフェイスプレートボルトに共締めした際、ボルトの締め付けトルクがわずかに甘かったこと。ダウンヒルの路面段差と強い前荷重によってハンドルバーが下向きに回転してしまっていたのです。

雨宿り・修理休憩中にファンタオレンジで補給
▲ 軒下でファンタオレンジを補給しながらひと息。落ち着いてリカバリー作業に入ります

自販機でファンタオレンジを買って一息つき、工具入れから携帯マルチツール(六角レンチ)を取り出します。

ハンドル角度を水平の適正位置に戻し、フェイスプレートの4本のボルトを対角線上に均等にしっかり増し締め!
幸いカーボンハンドルやステムへのダメージもなく、無事に元のポジションへ復旧できました。

ロングライドの教訓
新しいマウントやパーツを取り付けた直後は、トルク管理の再確認が必須!そして、携帯工具は絶対に常備しておくべきだと痛感しました。車載工具がなかったら自走不能になるところでした……!


松浦川沿いを快走して無事帰還!

ハンドルを修復した頃には雨もすっかり上がり、再び太陽が顔を出しました。

松浦川沿いの快走路を走るTarmac SL7
▲ 松浦川沿いのサイクリングロード。適正ポジションに戻ったハンドルで爽快にラストスパート!

ラストは松浦川沿いの堤防道路を気持ちよいペースで巡航し、無事に50kmを走り切って帰宅しました!


徹底検証:鳥巣HCのFITデータ解析&白木峠との比較

帰宅後、Garminから吸い上げたFITアクティビティデータを詳細にスクリプト解析しました。
前回の白木峠ヒルクライム(第2弾)と今回の鳥巣ヒルクライムの登坂区間データを比較した結果がこちらです。

白木峠 vs 鳥巣ヒルクライム 登坂データ比較

項目 白木峠ヒルクライム 鳥巣ヒルクライム(今回) 差異 / 変化
登坂距離 4.97 km 7.20 km +2.23 km(本格ロング)
獲得標高 +245.0 m +546.4 m 2.2倍の標高差!
平均勾配 4.93 % 7.59 %(最大11%超) +2.66%(激坂)
所要時間 19分33秒 46分24秒 2.3倍の耐久戦
平均パワー 153.2 W (NP 157.9W) 191.5 W (NP 199.1W) +38.3W(FTP超過)
平均ケイデンス 79.6 rpm 66.6 rpm -13.0 rpm(トルク踏み)
平均心拍 (最大心拍) 137.8 bpm (152 bpm) 160.5 bpm (176 bpm) +22.7 bpm(過負荷)

鳥巣HCでのケイデンス分布(何が起きていたか?)

  • 70 rpm 未満: 68.0 %(登坂時間の約7割がケイデンス不足)
  • 50 〜 59 rpm: 24.0 %(完全に「筋力で無理やり押し込む」状態)
  • 40 〜 49 rpm: 2.4 %(激坂カーブでの失速域)

パワーゾーン分布

  • Z1〜Z3(回復〜テンポ): 28.1 %
  • Z4(FTP閾値 171〜209W): 35.7 %
  • Z5(VO2max 209〜228W): 18.7 %
  • Z6+(無酸素・神経系 228W超): 17.5 %
  • Z4以上の高負荷比率: 計 71.9 %!

白木峠(平均勾配4.9%)では平均79.6rpmで綺麗に回せていたのに対し、鳥巣HC(平均勾配7.6%/最大11%)では平均66.6rpm、激坂区間では55rpmまでケイデンスが激落ち
FTP 190Wを大きく超える191.5W(NP 199.1W)を46分間も出し続け、心肺も筋肉も完全に限界領域でした。


結論:34Tのメリットと30Tの課題……まずは現在のスプロケで頑張ってみる!

今回の鳥巣HCの統計データと、本番のながとブルーオーシャンライドのコースプロファイル(RideWithGPS)を照らし合わせると、課題は非常にクリアになりました。

なぜ「細切れ山岳(ノコギリコース)」で30Tは厳しいのか?

本番のコース図を分析すると、最高標高こそ300mですが、標高100〜300m級の登りが約15kmおきに計6〜7回も繰り返されるレイアウトになっています。

  • 10〜30km地点: 秋吉台カルストへの登坂(標高300m・獲得標高+670m)
  • 40〜75km地点: 美祢・俵山方面の連続アップダウン(獲得標高+800m超)
  • 100〜114km地点: 終盤の海沿いに待ち構える細かな登り返し(獲得標高+200m)

もしリア30Tのまま挑んだ場合、鳥巣HCのように勾配が上がるたびにケイデンスが50〜60rpmまで低下し、「太ももの筋力トルク(200Wオーバー)で無理やり踏み倒す登坂」を強いられます。

この筋力ダメージを背負ったまま次の平坦を走り、さらに次の登りを登る……を6回以上繰り返すと、後半で脚がタレたり攣ったりするリスクが高まるのは事実です。

34T導入のメリット(計算上の優位性)

  • ギア比 1.20(36/30T) → 1.06(36/34T)(約11.8% 軽くなる)
  • 勾配8〜10%でもケイデンス70rpm前後を維持しやすく、心肺の有酸素運動で筋肉を温存できる

でも……あとしばらくは現在の「30T」で頑張ってみる!

データ上のメリットは頭では理解しつつも、ボクの中のサイクリスト魂(?)がこう囁きます。

「まだ機材に頼る前に、自分の登坂筋力やペダリング技術、ペース配分でカバーできる余地があるんじゃないか?」

斜度11%のカーブを「ジグザグ走法」でクリアできたように、ダンシングとシッティングの切り替えや、登坂前の助走、FTP以下の丁寧な出力コントロールを磨けば、30Tのままでも乗り切れる可能性は十分にあります。

ということで、「いきなり34Tへ交換するのではなく、あとしばらくは現在の30Tスプロケットのままトレーニングを重ねて限界に挑戦してみる!」ことに決めました!

今後のロングライドや山岳練習でどうしても脚が持たない場合の「最終兵器」として34Tを視野に残しつつ、まずは今の愛車のセッティングで自分の脚を徹底的に鍛え上げていきます!


まとめと次回へのステップ

第4弾となった今回の鳥巣ヒルクライム練習。
足つきなしで激坂を登り切った達成感とともに、現在の機材と自分のフィジカルの課題が明確になった非常に収穫の多いライドとなりました。

今回の学び&チェックリスト

  • [x] 鳥巣激坂(平均8.7%、最大11%超)を足つきなし(自販機休憩1回)で登坂成功!
  • [x] 斜度11%では道幅を使った「ジグザグ走法」が足つき回避に超有効。
  • [x] 30Tスプロケットの限界と課題をデータで把握 → まずは現在の30Tで脚作りを継続!
  • [x] 新規パーツ装着時はトルク再確認を徹底。携帯工具に救われた!
  • [x] Insta360テレメトリHUDで客観的な登坂データ(ケイデンス・パワー・斜度)を可視化できた。

次回は現在のギア構成のまま、さらなる山岳練習や長距離トレーニングを重ねてどこまで脚を温存できるか検証していきます!
秋吉台の絶景を目指して、トレーニングを着実に進めていきます!


「ながとブルーオーシャンライドへの道」連載記事一覧

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