マイ・トランポのサンバー君に自作でサブバッテリーシステムを構築しました。このシステムを導入したことで、エンジンを切った状態でもバッテリー上がりを気にせずに12V電源や500W程度の100V電源を使うことができるようになります。これで車中泊もOK!軽バンでも問題なくサブバッテリーを積むことができました。
サブバッテリーシステムとは
その名の通り、エンジンの始動や電装品の駆動に使うメインバッテリーとは別途にバッテリーを積み込むことで、エンジンをかけていないときでも12V電源や100V電源などを使用可能となるシステムのことをいいます。キャンピングカーでもよく使われているようです。
先日、サンバーのオルタネータが故障したことを機に、車の電装関連を勉強したこともこのシステム導入のきっかけになりました。
システムには何種類かの配線方法があるそうですが、今回僕が導入したのは走行充電器(アイソレータ)を使ったシステムとなります。
サブバッテリーを組むための配線図
大まかな配線図は以下のようになります。メインバッテリーとサブバッテリーの間にアイソレータを挟み、更にサブバッテリー側に500Wの正弦波インバータを繋ぎました。このシステムにより、走行中オルタネータの発電容量に余裕があるときにサブバッテリー側に電気が充電されます。メリットとして、サブバッテリー側で多くの電力を使って電圧降下が生じたとしてもメインバッテリー側の電圧・容量の低下を防ぐことができます。(2018.2.23追記)できれば、アイソレータのオルタネータ側のラインには安全のため40A程度のヒューズをつけることをお勧めします。
走行充電器(アイソレータ)
購入したのはNew-EraのSBC-001Bです。特長として、メインバッテリー側の電圧に応じてサブバッテリー側への充電制御をしてくれることです。具体的には、メインバッテリー側の電圧が12.5V以上でなければサブバッテリー側への充電は行いません。よって、いくらサブバッテリー側で電力を使おうと大事なメインバッテリーの電圧降下を防いでくれるのです。
概念図としてはこんな感じで、コップに入った水をイメージするとわかりやすいです。水が電気、コップに水を注ぐヤカンがオルタネータ、左のコップがメインバッテリー、右のコップがサブバッテリーで、コップの間をつなぎ、メインバッテリー側から水をオーバーフローさせるためのノズルがアイソレータです。
左から右のコップへは一定の水位以上でないと水が流れません。また、右のコップから左のコップへは水が流れないような仕組みになってます。
右側のコップの水を空にしても(サブバッテリーを使いすぎても)左側のコップの水は減らない(メインバッテリーは放電しない)のでメインバッテリーが上がることはありません。
(2022.4追記)最近、走行充電器を昇圧機能付きのSBC-004に変えました。
サブバッテリー
サブバッテリーとして選んだのはACDelcoのディープサイクルバッテリーM27MFです。このディープサイクルバッテリーは普通のバッテリーとは違い、深放電状態(バッテリーを使い切った状態)まで使っても、容量低下を伴わずに再充電が可能です。普通の自動車用バッテリーは深放電状態まで持っていくと、大幅な容量低下が生じ寿命が大幅に悪化してしまいます。今回のようなサブバッテリーとしての用途ではディープサイクル型が適しているといえます。M27MFの容量は105Ahです。バッテリーの電圧が約12Vなので、12Wの電力を105時間連続して利用することができます。120Wの液晶テレビでも10時間程度駆動できるので、十分な容量ですね。
正弦波インバータ
LESHPというメーカーの正弦波インバータを買いました。この装置を使うことで12Vの直流電源から、家庭用の100V電源を得ることができます。このインバータの性能は定格500W、最大負荷1000Wなのでテレビと照明、扇風機を同時に使用できる程度の能力となります。AC100V電源の他にも2.1A対応のUSB端子も2系統ついています。
現在は絶版となっているようで、代替として大橋産業(BAL)の制限はインバーターなどが近い性能を持っているようです。
いざ、サンバーへ接続
運転席側の後席足元に仮設置しました。奥行きが15cm程必要となりますが収まりも良く、さほど邪魔にはなりませんでした。
今回、扇風機(50W)やドローンの充電(60-80W程度?)に使用しましたが、特に本体が熱くなることもなく、問題なく使用することができました。
また、充電制御についてもオルタネータが13V以上発電しているときにのみサブバッテリー側へ電気が供給されていることも確認しました。メインバッテリー側の負荷もほとんどなさそうで安心です。
今後、トランポで移動するときにやむを得ず仮眠するときや洗車機の充電など、いろんな方面で大活躍しそうな予感です。
サブバッテリーの自作は既製品を買うよりもお得?
楽天やAmazonを覗くとリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載のポータブルバッテリーが売られていますが、それらとサブバッテリーのコスパを比較しました。
最近の売れ筋はEcoFlowなどのポータブル電源のようです。こちらの商品は768Whで約5万円(2024年9月)でした。
一方、今回のバッテリーシステムは105Ah×12V=1250Wh、かかった費用は配線含めて29,871円。出力も最大500Wです。最近はポタ電の価格下落が進んでいますが、現時点ではまだ自作のサブバッテリーシステムの方がコスパ優位です。
サンバー車中泊化計画
①ディープサイクルバッテリー・・・12,400円
②走行充電器(アイソレータ)・・・・・9,672円
③正弦波インバーター(500W)・・・・6,299円
④配線コード・端子・・・・・・・・1,500円
合計 29,871円
(2018.9)この後、トランポ をNV350キャラバンに乗換え、サブバッテリーシステムに少し手を加えましたので、こちらもご紹介します。
コメント
はじめまして!
自作サブバッテリーの記事を参考にさせていただいております
。
その中で、写真がいくつかリンク切れのためか表示されておらず、困っております。
一度確認していただけませんでしょうか。
複数の記事で画像が表示されていない部分があることを確認しております。